アレルギー性鼻炎の診断と治療

診断

アレルギー性鼻炎の治療を始める前に、医師の問診とアレルギー検査を行い、原因を特定することが大切です。

医師の問診では、症状が出る時期やその程度、他のアレルギー疾患の有無などを確認し、アレルギー性鼻炎か、その他の疾患かを判断します。
さらに、「アレルギー検査」で原因物質(アレルゲン)を特定します。

当院では、最新のアレルギー検査機器「ドロップスクリーン」を導入しています。ドロップスクリーンでは、指先から血液を2、3滴採血するだけで簡単に検査をすることが可能です。注射を嫌がるお子さんや注射の痛みが苦手なお子さんにおすすめの検査です。またドロップスクリーンでは、1回の検査で41種類のアレルゲンに対するアレルギー検査を実施することが可能です。

ただし、下記の方はこの検査はおすすめしないので御注意ください。
・すでにアレルギーがあることがわかっている方
・食物アレルギーを疑ってる方
・離乳食が進んでいない、食物摂取メニューが少ない乳幼児。

ですので、ドロップスクリーンをお勧めする方は、鼻炎・鼻汁・咳嗽・眼がかゆいなどのアレルギー性鼻炎の症状があるが、いままでアレルギーと言われたことのない方など、です。

治療

アレルギー性鼻炎は、「薬物療法(対症療法)」と「アレルゲン免疫療法」に加えて、「原因となるアレルゲンの除去・回避」を組み合わせながら治療を行います。

・薬物療法(対症療法)については、くしゃみ、鼻水、鼻づまりといった症状をやわらげたりおさえたりする効果があります。
低年齢のお子さんにも使用できる抗アレルギー薬もあり、赤ちゃんでも飲みやすいシロップやドライシロップなど剤型が充実しているので、負担を少なく内服することができます。
薬物療法の特徴として、アレルギーの原因を問わずに治療でき、症状のある部位(鼻や眼)に合わせて薬を選択できます。

・アレルゲン免疫療法(根本治療)は、アレルギーそのものを治療することで、アレルゲンに対しての体質改善が期待できます。
アレルゲンを少量から投与することで、体をアレルゲンに慣らし、長期にわたって症状をおさえたり、やわらげることができます。
アレルゲン免疫療法(根本治療)には、「皮下免疫療法」と「舌下免疫療法」があります。
以前は皮下注射による皮下免疫療法が行われていましたが、現在はリスクが少なく、通院頻度も大幅に減らせる舌下免疫療法も選択肢の1つです。

それぞれの治療法のポイントをよく理解し、お子さんにどんな治療法が合っているか、診察の時に相談しましょう。

また、アレルゲンを吸い込まないために、日頃から除去もしくは回避することも症状の改善につながります。鼻から入るアレルゲンの量を少なくすることは、治療の第一歩です。
・ハウスダストがたまりやすい室内・寝具・本棚やカーテンなどの掃除をする
・花粉対策として、外ではマスクやメガネを着用する、学校から帰ったら手洗い・うがい・洗顔をする
などを行うと効果的です。