当院ではシナジスの接種をしています。シナジスとは、RSウイルス感染症の重症化を防ぐ注射薬で、以下の方が対象になります。
・週数が早く生まれた乳幼児(在胎期間が 35 週以下の早産児)
・生まれつき心臓に疾患がある乳幼児(先天性心疾患)
・気管支肺異形成症などの乳幼児(慢性肺疾患)
・免疫不全を伴う乳幼児・ダウン症候群の乳幼児
シナジスの接種は、通常は総合病院などの大きな病院で実施されますが、そうなるとどうしても、遠方に通院しないといけなくなることもあります。当院では、シナジスの接種もできますので、ご希望の方はご相談ください。
RSウイルスとは
乳幼児に呼吸器感染症を引き起こすウイルスです。秋になると毎年流行し始め、ほとんどのお子さんが 2歳までには一度は感染すると考えられており、私たちの日常生活においてとても身近なウイルスです。大人が感染した場合は軽いかぜ症状のみですが、予定日よりも早く生まれた赤ちゃんや、生まれつき心臓や肺に病気をもっている赤ちゃんなどが感染する と重症化しやすいウイルスです。今のところ、RSウイルス感染症に有効な治療薬はありません。
シナジスとは
RSウイルス感染症が重症化すると、急性細気管支炎や肺炎、無呼吸発作のため、入院治療が必要になります。シナジスは、このRSウイルス感染症が重症化するのを予防する注射薬です。
【投与方法】
足(太もも)に筋肉注射します。投与量は体重により決められています。
【接種スケジュール】
注射の効果は約1ヶ月持続するので、原則、流行期の8月から4月の間に、月1回の注射を継続します。ただし、RSウイルスの流行はその年の流行状況によって変わることがあります。
【副反応】
発熱、注射した場所の腫れ・痛み、発疹、肝機能異常、お腹の調子が悪くなる、咳や鼻水などのかぜ症状などがあります。重大な副作用としてアナフィラキシーがあります。次のような症状に気づいたら連絡してください。
冷や汗、吐き気や嘔吐、全身のじんましん、息が苦しくなる、顔が⻘ざめる、声が出にくくなるなどです。