子宮頸がんとは
子宮頸がんは子宮の入口にできるがんのことを言います。日本では毎年約10,000人が子宮頸がんにかかり、約3,000人が子宮頸がんで亡くなっていると報告されています。近年は若い世代で子宮頸がんにかかる方が多くなっておりピークは30代です。20代、30代の女性で子宮頸がんのために妊娠できなくなる女性が毎年1200人います。
子宮頸がんの原因は、ほぼ100%がヒトパピローマウイルス(HPV)というウイルスの感染と言われています。このヒトパピローマウイルスは女性の約80%が一生に一度は感染していると報告されるぐらい、日常生活にありふれたウイルスです。ヒトパピローマウイルスの中でも、特に2つのタイプ(HPV16型と18型)によるものが子宮頸がん全体の 50〜70%を占めており、そのHPV感染を予防するワクチンが子宮頸がんワクチンなのです。
子宮頸がんワクチンの目的
子宮頸がんワクチンはヒトパピローマウイルス(HPV)に初めて感染することを予防する効果があります。そのため、ヒトパピローマウイルスに初めて感染する前に投与する必要があります。既にヒトパピローマウイルスに感染している場合は、効果がありません。
接種を受ける時期と間隔
【接種対象年齢】
小学校6年始〜高校1年生相当の女子
【接種回数】
3回
初回接種を受け、1~2か月の間隔をあけて2回目、初回接種の6か月後に3回目を接種します。
シルガード9においては、1回目を15才までに接種し、2回目を5か月以上あけた場合は2回となります。
※厚生労働省のシルガード9のHP
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou/hpv_9-valentHPVvaccine.html
【ワクチンの種類】
子宮頸がんを引き起こすウイルスにはいろいろな型があります。日本で定期接種として認められているワクチンはサーバリックスとガーダシル、シルガード9の3種類がありますが、現在の主流は9価ワクチンのシルガード9です。
・2価ワクチン(サーバリックス):定期接種
・4価ワクチン(ガーダシル) :定期接種
・9価ワクチン(シルガード9):定期接種
副反応
一般的なワクチンと同様に、ワクチン接種後には、注射した部分が痛んだり、赤くなったり、痒みを感じることがあります。いずれも一過性で数日以内に軽快することがほとんどです。
全身的な副反応としては、疲労感や頭痛、吐き気、嘔吐、下痢、腹痛などがあらわれることがあります。
まれにショックまたはアナフィラキシー様症状を含むアレルギー反応、血管浮腫が認められることがあります。
このワクチンの導入当初、様々な激しい疼痛や運動障害といった副反応が出るとマスコミが報道したために、わが国は「子宮頸がんワクチン後進国」になってしまいました。しかし、報告された症状は、接種していない子でも同じ割合で認められることがその後の調査で分かりました。
つまり、子宮頸がんワクチンが原因ではなかったのです。
このワクチンがとても効果的だということは、国内でも多くの国々でも、証明されています。特に発がん性の高いウイルス株の16型と18型に対して効果が認められ、抗体が作られる有効率は94%と報告されています。
しかし、そういったプラスの情報はあまり報道されないため、接種せずに対象年齢を過ぎてしまった子がたくさんいます。
もともと高価なワクチンなので、3回の接種を自費で行うと約5万円かかります(命を救えると思えば安いものですが、、)。
特に、高校生の子は早めに開始しないと無料のうちに接種が終わりません。
この機会にご家族で話し合ってみませんか、お子さんの将来のことを。
子宮頸がんワクチンについての分かりやすいサイトです。
https://minpapi.jp/
参考になれば幸いです。