あせも(汗疹)は、汗が穴に詰まって皮膚に炎症をおこすことによってできる発疹です。汗腺という汗を分泌する腺が皮膚にありますが、この汗腺は小児でも大人でも数が変わらないので、小児では体の大きさに対して汗の量が多くなってしまいます。また、大人に比べ小児では新陳代謝が活発で体温が高いので汗をかきやすいこともあせもの原因です。あせもは、汗の多い、頭、首まわり、脇の下、お尻、膝の裏側などにできやすいです。
原因
症状
あせもの症状には主に2種類あります。
紅色汗疹(こうしょくかんしん)
汗の詰まったところに炎症が起きた状態で、赤くてかゆみのあるあせもです。かゆさで引っ掻いたところに細菌が入ると化膿して「とびひ」を発症することがありますのできちんと治療をする必要があります。
水晶様汗疹(すいしょうようかんしん)
透明な小さな水疱がたくさん出るのが特徴です。かゆみや痛みがほとんどないので症状が出ても気づかず自然と回復することが多いです。
治療
症状に合わせて炎症を抑えるステロイド軟膏やかゆみを抑える薬を使いますが、ご家庭で のスキンケアが基本になります。
■ ご家庭でできるスキンケアのポイント
通気性の良い服を着る
汗がたまらないように通気性、吸水性の高い服を選ぶようにしましょう。
汗をかいたらシャワーで流す
お昼寝後や外で体を動かした後など夏場は特に回数を増やすと良いです。
シャワーが難しければタオルで汗をしっかり拭くようにしましょう。
入浴する際は、ぬるめのお湯にする
入浴後も体温が上がり汗をかきやすくなりますので、入浴する際はぬるめのお湯にしましょう。
オムツはこまめに交換する
赤ちゃんの場合、オムツに覆われた部分にあせもができやすいです。オムツ内はムれやすいので、こまめに交換して清潔に保ちましょう。
エアコンで室温調整をする
汗をかかせないように室温を調整しましょう。しかし、エアコンを使うと乾燥しやすくなりますので保湿を忘れないようにしましょう。
昔は、あせもの予防としてベビーパウダーが使用されることもありましたが、つけすぎると余計に汗腺にフタをしてしまい、逆にあせもが悪化してしまう可能性があります。ですので最近は使用されることは少なくなりました。使用する際はご注意ください。
症状がひどくなる前の受診をおすすめします
赤ちゃんはよく汗をかくので、あせもができやすいです。また赤ちゃんはかゆいときは我慢しようとしないので、手の届くかゆい箇所を搔きむしってしまいます。搔きむしることで炎症が悪化し、結局あせもがなかなか治らないという悪循環になります。赤ちゃんにとってもかゆみはとてもつらい症状ですが、赤ちゃんなのでそれをうまく伝えることもできません。
つらいかゆみを早く治してあげるためにも症状が軽いうちの早めの受診がおすすめです。
また、市販のかゆみ止めなどは敏感な赤ちゃんのお肌に合わない場合もありますので、赤ちゃんの症状に合わせた処方をいたしますのでお気軽にご相談ください。